サラリーマンのための個人M&A入門 by 三戸政和

サラリーマンのための個人M&A入門 by 三戸政和

6. サラリーマンのためのM&Aの始め方

<このページのまとめ>

◆「経営会議への参加」から第一歩を
◆「経営能力をつけてから経営する」のではない
◆「経営しながら経営能力をつける」のだ
◆ 失敗しても経験は残る
◆「ドラゴンクエスト」を楽しむ度胸を

ここまで、会社を買う、経営する、という話をしてきました。でも実際、すぐ買おうというサラリーマンはそうはいないでしょう。

「会社を買う」と考えると、たしかにハードル高いと思われるでしょうね。そこで1つの提案は、「事業や人を引き継ぐ」と視点を変えてみることです。これなら、自分にもできることがリアルに見えてくる場合がでてきませんか?

まずリスクゼロで見極める

私が現実的に勧めているのは、中小企業の経営会議に参加させてもらうことです。知り合いの会社に頼んで、はじめはとにかく報酬ゼロで参加させてもらう。そして、自分が入ることで事業を良くできるのか、試してみる。これならリスクなしでできます。

そうすれば、

中小企業
良いこと言いますね!

あなた
じゃあ5万円ちょうだい?
10
万円ちょうだい?
ついでに会社もちょうだい?
(会場笑)

とレベルアップしていけます。この方法なら、副業でのコンサルティングなども可能ですよね。

こうして経験を積みながら、経営のリスク要因もみきわめながら、買収のチャンスを待つこともできますよね。

編集部注:サラリーマンの副業の始め方について、三戸さんは現代ビジネス記事 「サラリーマン絶滅社会の到来前に知っておきたい「副業の思考法」— あなたに5万円を払う人の見つけ方」(2018.11.19) で、「営業マンなら(自社製品と競合しない)他社の商品を同時に扱う」「勝手にコンサル」「自分の知り合いに「商品」になる人がいれば、その人を適所に紹介する」など詳しく書いています。「自分に値付けをしてもらうことが、脱サラリーマン思考の第一歩です。」という点は、小倉広さんの連載での単価のお話とも通じますね。よろしければ、あわせてお読みください。

第一歩を踏み出す

そして、さあ買おうと決意したら、まず「フラッグを立てる」ことです。

あなた
私、会社買いたいです!
とSNSに書くんです。年賀状に書いてもいいです。買う意思があります、と世間に表明するんです。

同時に、知り合いを探りましょう。会社社長が知り合いにいたら言いましょう。

あなた
私、会社買いたいです!
会社売りたい社長さん知りませんか?

「経営者の友達は経営者」です。オーナー社長の「会社売りたい」という希望は真っ先に経営者友達に伝えられるはずです。同様に税理士、不動産業者などの業者にも伝えられます。大きなおカネの相談をする相手だからです。会社を売るのと、社屋や土地を売る相談とセットです。

こうした手段を組み合わせて、情報収集します。

理想は、知り合いの会社を買えることです。情報がある程度わかっているからです。その中で、さらに社長が70−80歳、子供も継がない、というところから声を掛けていくといいでしょう。

カタチから整える

企業の経営を譲り受けるためには「信用」が必要です。僕らも会社を買うのなら、まずカタチから整えていきましょう。会社を設立し、ホームページを作りましょう。私はそのためにファンドまで設立しました。

もっと目立たなく進めたいなら、知人の会社に「MA担当」などの名刺を作ってもらってもいいですね。本当に買う気があるんだから、フェイク名刺じゃないですよね。

ここまでは、リスクゼロでできることですよね。

これから「ドラクエする度胸」はありますか?

結局必要なのは、失敗を気にせずつっこむ勇気です。周りから「あいつ失敗したな」と思われることさえ許容すれば、あとは自分に経験が残ります。腹さえくくればリスクって実はなくて、プラスだけが残ります。買ってから考えればいいんですよ。社員さんや取引先さんに教えてもらいながら、成長していけばいいんです。

私が有料サロンを開設したのも、実際やってみることで気付く問題というのがあって、効率よく対応するためです。経験者からすればなんでもないことでも、初めてだと結構な壁になることは多いので。実際に会社を買ってみないと現実感がわかないものなので、半分くらいは途中退会するかなと見込んでいますが、それは構わないです。行動している人、これから行動する人にだけ役に立てれば十分です。

私がロンドンで会社を始めた時も、なんにもないところからのドラクエ状態でした。やってみればなんとかなるものです。今の自分に経営能力があるかどうか、ではありません。これからドラクエする度胸があるか、です。


(トライアスリートでもある三戸さん。スイムを終えて海から上がった直後。)

< 講師紹介 >

 三戸政和(みと まさかず)
株式会社日本創生投資 代表取締役社長。1978年兵庫県生まれ。同志社大学卒業後、2005年ソフトバンク・インベストメント(現SBIインベストメント)入社。ベンチャーキャピタリストとして日本やシンガポール、インドのファンドを担当し、ベンチャー投資や投資先にてM&A、株式上場などを行う。兵庫県議会議員(20112014年)。2016年、日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業バイアウト投資を行う。20184月に『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい人生100年時代の個人M&A入門』(講談社+α新書)を発刊、13万部を超えるベストセラーに。

ツイッター https://twitter.com/310jpn

※この記事は、2018年9月開催セミナー「三戸政和「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」出版特別講演」(東京・渋谷 株式会社メイクス カンファレンスルーム)の内容を編集部にて再構成してお届けしています。

(構成:ウェルビーイング・ラボ編集部)